【普通借家 vs 定期借家】実家を貸すならどっち?後悔しない契約形態の選び方を大家が解説

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実家を貸し出そうと思ったとき、最初に頭を悩ませるのが「普通借家契約」と「定期借家契約」のどちらを選ぶべきかという問題ではないでしょうか。

ネットで調べると「定期借家は家賃が下がる」「普通借家では入居者を退去させられない」といった不安をあおる情報ばかり目につき、結局どちらが正解なのか分からなくなってしまいますよね^^;

今回は、実際に空き家の賃貸経営をしているわたし自身の体験をもとに、「後悔しない契約形態の選び方」をわかりやすく解説します!

結論から言うとわたしのおすすめは「定期借家契約」です。締結まで難しい印象ですが、丁寧な説明で成功率がグッと上昇します。今回は具体的な方法を、大家の本音も交えてお伝えしますね。

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まず確認!普通借家 vs 定期借家 一目でわかるメリデメ比較表

どちらの契約形態にするか迷っている方のために、まずは主要な違いを表にまとめました。

比較項目普通借家契約定期借家契約
契約の更新原則として自動更新。大家から更新拒否するには「正当事由」が必要期間満了で契約終了。更新なし(再契約は双方合意のうえで可能)
大家側の退去要求難しい。正当事由がなければ退去を求めることができない期間満了後は確実に終了できる
家賃相場周辺相場と同等が一般的エリアにより5〜10%程度低くなる場合もあるが、人気エリアでは差がほぼないケースも
入居者の集まりやすさ入居希望者には受け入れられやすい「期限付き」という印象から敬遠されることがある。説明の仕方で大きく変わる
トラブル入居者への対応退去させるには裁判が必要なケースも期間満了時に再契約しないことで円満に終了できる
将来の自己使用・売却「自己使用したい」だけでは退去させにくい期間設定次第で将来の自己使用・売却に備えられる

空き家オーナーを悩ませる「契約の壁」

実家を貸そうと決心したとき、多くのオーナーが最初に感じるのは「もし問題のある入居者が来てしまったら……」という不安です。家賃の滞納、近隣トラブル、部屋の損傷——思い出の詰まった実家だからこそ、そのリスクを考えると一歩踏み出せなくなりますよね。

そこで知っておきたいのが、以下の2つの契約形態です。

普通借家契約日本で最も一般的な契約形態。借主(入居者)の権利が非常に強く保護されており、大家側から更新を拒否するためには「正当事由」が必要。
定期借家契約契約期間が満了すれば、更新なしに確実に契約が終了する形態。再契約は大家・借主双方の合意のもとで行われる。

普通借家のデメリット:「出て行ってもらえない」現実

定期借家の話に入る前に、普通借家の最大のリスクを正直にお伝えしておきます。

普通借家契約では、借地借家法によって借主(入居者)の権利が非常に強く守られています。具体的には次のような問題が起こりえます。

  • 家賃滞納・近隣トラブルがあっても即退去させられない:よほど悪質なケースでなければ、法的手続きには数ヶ月〜1年以上かかることも。弁護士費用や精神的な消耗も覚悟が必要です。
  • 「将来また住みたい」が通らない:自分の老後に実家に戻りたい、子どもに譲りたい、という希望があっても、「自己使用の必要性」だけでは正当事由として認められないケースが多く、入居者が拒否すれば退去させられません。
  • 更新拒否が事実上できない:「契約期間が来たから終わり」にならないのが普通借家の特徴。更新を断るには正当な事由と、場合によっては立退き料の支払いも必要になります。

「思い出の実家を見ず知らずの人に長期間明け渡し、自分では何もできない」という状況になりうるのが普通借家の怖さです。だからこそ、わたしは定期借家をおすすめしています。

「それなら定期借家の方が安心では?」と思う方も多いはず。しかし不動産会社からは「定期借家だと入居者が決まりにくいですよ」「家賃を下げないと厳しいです」とアドバイスされることが多いのが現実です^^;

これは「定期借家=期間が来たら追い出される」という根強い誤解が原因。この誤解さえ解ければ、定期借家は大家にとっても入居者にとっても最強の選択肢になります!

定期借家契約の真実:「追い出すため」ではなく「守るため」のもの

多くの入居希望者が定期借家を敬遠するのは、「数年後に住む場所を失うかもしれない」という不安からです。しかし、大家側の本音はどうでしょうか?

せっかくリフォームして良い出会いができた入居者を、わざわざ数年で追い出したいと思う大家は一人もいません。「できることなら、末長く住んでもらいたい」というのが、大家の本音です。

なぜなら、退去が発生するたびにクリーニング費用・修繕費・仲介手数料・広告料、そして何より「空室期間」という最大の損失が発生するからです。1回の退去で家賃数か月分が消えてしまう世界です。大家にとって「長く住んでもらうこと」は、何よりも大切な利益なのです。

つまり、定期借家契約は「入居者を守るため」の保険でもあります。問題を起こさない普通の入居者が、悪質な隣人や不審な第三者から守られる仕組み——それが定期借家の本質です。

わたしの実体験:祖父の家を定期借家で貸して3年

わたしが祖父の空き家を賃貸に出すと決めたとき、最初の仲介業者からは「定期借家は難しい、普通借家にしましょう」と言われました。しかし、将来的に家族で使う可能性を残したかったこと、そしてトラブル時の出口を確保したかったことから、定期借家を選びました。

内見に来た方への説明は正直に行いました。「定期借家ですが、普通に住んでいただけるなら期間満了後も再契約します。退去をお願いするのは、本当に困った状況のときだけです」と。結果、3組目の内見で入居を決めていただき、現在3年目を迎えています。一度も再契約を断ったことはなく、先方からも「長く住みたい」とおっしゃっていただいています。

家賃と入居率への影響:実際のところどうなの?

定期借家にすると「家賃が下がる」「空室期間が長くなる」と心配される方が多いですが、実態はエリアと物件による差が大きいです。

  • 家賃への影響:都市部の人気エリアでは定期借家でも普通借家とほぼ同等の家賃が取れるケースが増えています。一方、地方や競合物件が多いエリアでは5〜10%程度の値引きを求められることがあります。
  • 入居率への影響:「定期借家」という言葉への反応は、説明の仕方で大きく変わります。「再契約前提」「追い出し目的ではない」という点を丁寧に伝えれば、入居決定率は通常とほとんど変わりません。わたし自身の経験でも、3〜4組の内見で入居者が決まっており、極端に長い空室期間は生じていません。
  • 契約期間の目安:一般的には2年契約が最も多く、3年・5年と長めに設定するオーナーもいます。期間が長いほど入居者に安心感を与えやすい反面、トラブル発生時の対応が長引くリスクもあります。わたしは2年契約・再契約可という設定にしています。

「再契約前提」であることをしっかり伝えることが重要!

わたしが定期借家契約を提示する際に必ずお伝えしているのは、以下のような内容です。

「定期借家という形をとっていますが、普通に生活していただいている限り期間が来ても退去をお願いすることはありません。むしろ再契約していただき長く住んで頂けるととても嬉しいです。定期借家契約は悪質な入居者から近隣住民や建物などを守る”保険”のようなものです。」

この一言があるかどうかで、入居者の心理的なハードルは劇的に下がります^^

再契約の実際の流れ

「再契約するとき、実際にどうするの?」という疑問を持つ方も多いので、簡単な流れをご紹介します。

  1. 期間満了の6ヶ月〜1年前:大家から入居者に対して「契約終了の通知」を書面で送付(法律上、1年前〜6ヶ月前の通知が必要)
  2. 入居者と再契約の意向を確認:問題がなければ「再契約します」と口頭・書面で合意
  3. 新しい定期借家契約書を作成:仲介業者または自分で作成。内容は前回と同じで構わない
  4. 署名・捺印して再契約完了:仲介業者を通じて行う場合は手数料が発生することもあるため、事前に確認を

手続き自体は難しくありません。大切なのは、期間満了の通知を忘れないことです。通知を怠ると法律上の問題が生じる場合があるので、カレンダーにリマインドを設定しておきましょう。

「住み続けたい!」と思わせる環境づくりも重要

定期借家への不安を払拭するもう一つの方法が、「ここに住み続けたい!」と感じてもらえる付加価値を提供することです。入居者が「この家を離れたくない」と思えば、再契約はスムーズになり、長期入居につながります。

付加価値として効果的なのは次のようなものです。

  • 迅速な修繕・メンテナンス対応:「困ったことがあればすぐ連絡を」という姿勢を見せるだけで、入居者の安心感は大きく変わります。水回りの不具合対応が早い大家は、入居者からの信頼も厚くなります。
  • 清潔感・設備の充実:エアコン・給湯器・照明などの設備が新しく、清潔であることは長期入居の基本条件です。内見前のハウスクリーニングへの投資は必ず回収できます。
  • スマートホーム化などの差別化:わたしが実際に取り入れているのが、スマートホーム化や設備の充実です。たとえばSwitchBotのスマートロックを導入してスマホ一台で鍵の開け閉めができるようにしたり、NFCタグや照明の自動化で「ちょっと便利でワクワクする暮らし」を提供しています。「この家でないと体験できない」という独自価値が、長期入居を後押しします。

普通借家を選んでもよいケースとは?

もちろん、すべてのケースで定期借家が正解とは限りません。以下のような状況では、普通借家を検討することも選択肢のひとつです。

  • 入居審査を非常に厳格に行える場合:保証会社の審査に加え、属性確認や面談を通じて「トラブルのリスクがほぼない」と確信できるとき。信頼できる知人・紹介入居の場合も、普通借家でリスクを取りやすいです。
  • 立地条件が非常に良く、次の入居者がすぐに決まる見込みがある場合:空室期間がほぼゼロで回せる人気エリアでは、間口を広げる意味で普通借家も有効です。万が一退去になっても次がすぐ決まるため、大きなリスクにはなりません。
  • 将来的に自分が使う予定がまったくない場合:売却前提・相続後に処分予定など、将来的に自己利用の可能性がゼロであれば、入居者を集めやすい普通借家でスタートするのも一つの考え方です。
  • その他:早期に入居者を確保したい緊急性が高いケースなど

▶ リフォームと費用感の参考に:空き家を貸すならリフォームした方がいい?比較検討してみた!わたしの体験談や実際にかかった費用も公開!

地方マーケットに合わせた工夫

地方で実家を貸し出す場合、主なターゲットは「地元の家族連れ」や「転勤族」になることが多いでしょう。地方都市では「定期借家」という言葉自体を知らない方や、「期限付き=訳あり」と誤解している方が多いのが現実です^^;

そのため、仲介会社の担当者に対しても「うちの定期借家は追い出し目的ではなく、更新を前提としています。内見の際に丁寧に説明していただけますか?」とあらかじめ伝えておくことが重要です。担当者が正しく説明してくれるかどうかで、入居者の反応は大きく変わります。

まとめ:後悔しない「契約形態の選び方」4ステップ

  1. まず「将来の自己使用予定」を確認する:老後に戻る可能性、子への相続・売却の可能性がある場合は定期借家一択。将来の選択肢を守ることが最優先です。
  2. エリアの賃貸需要を把握する:人気エリアなら定期借家でも家賃・入居率への影響は小さい。地方なら「再契約前提」の説明を徹底して定期借家で臨む。どうしても決まらない場合は普通借家も選択肢に。
  3. 「再契約前提」の説明を準備する:入居者への説明文・仲介業者への事前共有を徹底することで、定期借家への心理的ハードルを大幅に下げることができます。
  4. 付加価値を提供して「住み続けたい」環境をつくる:設備の充実・迅速な対応・スマートホーム化など、入居者が「離れたくない」と思える工夫を積み重ねることが、長期入居=安定収入につながります。

「定期借家」というシステムを賢く活用しながら、誰よりも入居者の幸せを願う大家になる。これが、実家を空き家のまま腐らせることなく、収益化と社会貢献を両立させる道だとわたしは確信しています^^

まずは、物件の中に置く「入居者様へのメッセージ」を1枚書くことから始めてみませんか?きっと「実家を貸してよかった!」と心から思える日が来るはずです😊 応援しています!

▶ 確定申告など税務面が気になる方はこちら:【実体験】空き家を貸すとき確定申告は必要?家賃収入20万円以下でも申告すべきか

著者プロフィール
さゆ

戸建て専門の不動産賃貸経営者。築45年の祖父の家を賃貸に出したことをきっかけに、空き家活用に取り組む。

過去の自身のような「空き家で困っている人」の助けになるように情報発信中。同じ悩みを持つ方が一歩踏み出せるよう、体験談をもとにリアルな情報をお届けします。

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