「実家が空き家になってしまったけど、売るのはまだ早い気がする…」そう感じている方は多いのではないでしょうか?
実は、売却以外に「貸し出す」という選択肢があります。そして、実家を貸すメリットは家賃収入だけではありません。
わたし自身、祖父から相続した築45年の一軒家を賃貸に出した経験があります。最初は「古い家を借りてくれる人なんているの?」と半信半疑でしたが、実際に貸し出してみると、お金以外にも想像以上にたくさんの恩恵がありました。
この記事では、実家を貸すことで得られる5つのメリットを、体験談を交えながら詳しくご紹介します。売却を検討している方も、ぜひ読んでから判断してみてください。
実家を貸す5つのメリット
メリット① 管理の手間・ストレスから解放される
空き家を持っている方なら分かると思いますが、家は人が住まなくなるとあっという間に傷みます。
庭には雑草が生え放題になり、湿気でカビが発生し、どこからかゴキブリや虫も侵入してきます。定期的な換気・清掃・庭の手入れ・設備の点検など、空き家の管理には思った以上に時間と手間がかかります。
わたしも祖父の家が空き家になってから、月に1〜2回、片道1時間かけて通い続けていました。草刈りをしても翌月にはまた伸びている…という繰り返しに、正直かなり疲弊しました。
しかし入居者が決まった瞬間、その管理の手間はすべてなくなりました。掃除も換気も草刈りも、入居者の方がしてくれるからです。遠方に住んでいる方や仕事が忙しい方にとって、これだけでも十分すぎるメリットと言えます。
空き家を放置するリスクも避けられる
空き家を放置すると、管理の手間だけでなく「特定空家」に指定されるリスクもあります。特定空家に指定されると固定資産税の軽減措置が外れ、税額が最大6倍に跳ね上がる可能性があります。賃貸に出して人が住んでいれば、こうしたリスクも回避できます。
メリット② 毎月安定した家賃収入が得られる
実家を貸す最も分かりやすいメリットが、毎月入ってくる家賃収入です。
不動産を持っているだけで発生するコストには、固定資産税・火災保険・最低限のライフライン維持費などがあります。空き家のままでは純粋な「出費」ですが、賃貸に出せばこれらを家賃で賄えます。
「設備が壊れたら大家負担でしょ?」と心配する方も多いですが、設備の修繕費も家賃収入の中からまかなうことができます。そもそも住んでいなくても設備は経年劣化するため、賃貸に出す方が維持コストとして考えやすいのです。
また、将来的に実家に戻る可能性がある方は、「定期借家契約」を使えば契約期間を自分で設定できます。「5年間だけ貸す」という形にしておけば、必要なときに戻れる安心感を持ちつつ家賃収入も得られます。
収支のイメージ(一例)
例えば月5万円で貸した場合、年間60万円の収入になります。固定資産税・保険・修繕積立などで年間15〜20万円の経費がかかるとしても、差し引き年間40〜45万円のプラスになります。空き家のままだと年間15〜20万円の出費だけなので、その差は非常に大きいです。
メリット③ 節税ができる場合がある
実家を賃貸に出すと、かかった費用の一部を「経費」として確定申告できるようになります。これが節税につながります。
簡単に説明すると、「年間の家賃収入が100万円で、かかった費用が30万円なら、課税対象となる所得は70万円」という仕組みです。給与所得でも収入100万円と70万円では払う税金が変わりますよね、それと同じイメージです。
経費として計上できる主な項目は以下の通りです。
- 固定資産税・都市計画税
- 火災保険料・地震保険料
- 管理会社への管理委託費
- 修繕・リフォーム費用
- 借入金の利子(ローンがある場合)
- 不動産会社への仲介手数料
- 減価償却費
- 物件までの交通費・通信費など
ただし、確定申告が必要になる場合もありますので、初めての方は税務署の無料相談を活用するのがおすすめです。わたしも分からないことがあれば電話で相談していますが、丁寧に教えてもらえますよ。
青色申告にすれば最大65万円の控除も
賃貸経営で開業届を提出して青色申告を選択すれば、最大65万円の特別控除が受けられます(電子申告の場合)。副収入を得ながら節税効果を最大化できるのは、不動産賃貸経営ならではの強みです。
メリット④ 不動産経営の知識・経験が積める
「ただ家を貸すだけでしょ?」と思われがちですが、実家を賃貸に出すことは、れっきとした不動産賃貸経営です。この経験を通じて、さまざまな実践的スキルが身に付きます。
具体的に得られる知識・経験は以下の通りです。
- 会計・簿記の知識:収支管理・確定申告を通じて、お金の流れを把握する力が身につく
- 節税・税務の知識:経費計上・青色申告など、税金を正しく理解できる
- 法律・契約の知識:賃貸借契約・定期借家契約・借地借家法など実務的な法律知識
- リフォーム・修繕の知識:業者との交渉・見積もり比較・DIYの判断軸が培われる
- マーケティング感覚:「どんな人に貸すか」「家賃をどう設定するか」など市場を読む力
- 人脈の形成:不動産管理会社・リフォーム業者・司法書士など専門家とのネットワーク
わたし自身、賃貸経営を始める前は「確定申告」も「減価償却」も知らない状態でした。しかし実際に経営してみることで、自然と学べました。将来的に資産を増やしたい方・副収入を作りたい方にとって、実家の賃貸は最高の「実践の場」になります。
メリット⑤ 地域の活性化に貢献できる
日本全国で空き家の数は増え続けており、2023年の調査では空き家率が過去最高の13.8%(総務省統計局)に達しました。空き家は地域にとってさまざまな問題を引き起こします。
- 衛生環境の悪化(ゴミ・害虫・雑草)
- 景観の悪化・治安の低下
- 火災・倒壊のリスク
- 不法侵入・犯罪の温床になりやすい
しかし実家を貸し出せば、新たな住民が地域に加わります。近所にとっても「人が住んでいる家」は安心感があり、地域コミュニティの維持・活性化にもつながります。
特に地方では若い世代の流出が深刻で、「空き家バンク」を活用して移住者を呼び込む動きも活発です。実家を貸すことが、地域への貢献にもなり得るのです。
実家を貸すデメリットも正直に伝えます
メリットばかり並べるのは正直ではないので、注意点もお伝えします。
- 入居者トラブルのリスク:家賃滞納・近隣トラブルなどが起きる可能性がある(管理会社に委託することで軽減できます)
- 貸したら戻りにくくなる場合も:普通借家契約だと入居者が住み続ける限り戻れない(定期借家契約を使えば回避できます)
- 初期費用がかかることも:リフォームやクリーニング費用が必要なケースがある
- 確定申告が必要になる:年間20万円超の家賃収入がある場合は確定申告が必要
デメリットはあるものの、多くは事前の準備や契約方法の工夫で対処できます。詳しくはこちらの記事で解説しています。
👉 【後悔しないために】知っておきたい実家を貸すデメリット。対策も紹介します!
実家を貸すか売るか迷っている方へ
「売却」と「賃貸」どちらを選ぶべきかは、状況によって異なります。ただ、売却は一度したら取り消せません。一方、賃貸はいつでも売却に切り替えることができます。
特に以下のような方には、まず賃貸を検討することをおすすめします。
- 将来的にその家に戻る可能性がある
- 「親の家を手放したくない」という気持ちがある
- 副収入を作りたい
- 今すぐ売却を急ぐ必要がない
また、賃貸に出す前に「そもそも貸せる状態か」を確認することも大切です。貸せないケースや事前に確認すべきことについては、こちらの記事をご覧ください。
👉 実家を貸す前に必ず確認!貸してはいけないケースとは?解決策も考えてみる
まとめ:実家を貸すメリットは家賃収入だけじゃない
改めて、実家を貸すことで得られる5つのメリットをまとめます。
- 管理の手間・ストレスから解放される(空き家放置のリスクも回避できる)
- 毎月安定した家賃収入が得られる(維持費をまかなえてプラスにもなる)
- 節税ができる(経費計上・青色申告でさらに節税効果アップ)
- 不動産経営の知識・経験が積める(将来の資産形成にも活きる)
- 地域の活性化に貢献できる(空き家問題の解決にも一役買える)
実家の賃貸経営は、難しそうに見えて、一つひとつのステップを踏んでいけば初めてでも必ずできます。このサイトでは、名義変更・リフォーム・入居者探し・大家としての管理まで、実家を貸すために必要な知識をすべて公開しています。
まずは全体の流れを把握したい方は、こちらの記事からどうぞ。
👉 実家を貸す前に必ず確認!貸してはいけないケースとは?
👉 相続した空き家の不動産登記、費用はいくら?(STEP1 名義変更)
👉 空き家を貸すならリフォームした方がいい?(STEP2 片付け・リフォーム)

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