「実家が空き家になってしまったけど、売るのはまだ早い気がする…」そう感じている方は多いのではないでしょうか?
実は、売却以外に「貸し出す」という選択肢があります。そして、実家を貸すメリットは家賃収入だけではありません。
わたし自身、祖父から相続した築45年の一軒家を賃貸に出した経験があります。最初は「古い家を借りてくれる人なんているの?」と半信半疑でしたが、実際に貸し出してみると、お金以外にも想像以上にたくさんの恩恵がありました。
この記事では、実家を貸すことで得られる5つのメリットを、体験談を交えながら詳しくご紹介します。売却を検討している方も、ぜひ読んでから判断してみてください。
売却を検討中の方こそ、まず読んでほしい理由
実家が空き家になったとき、「売ってしまったほうが楽かも」と感じるのは自然なことです。でも、売却は一度したら絶対に取り消せません。一方、賃貸はいつでも売却に切り替えることができます。
特に以下のような方には、まず賃貸を試す価値があります。
- 将来的にその家に戻る可能性がある
- 「親の家を手放したくない」という気持ちがある
- 副収入を作りたい
- 今すぐ売却を急ぐ必要がない
賃貸と売却を徹底比較した記事もあります。どちらか迷っている方はあわせてご覧ください。
👉 【実家の売却 vs 賃貸】どっちが得?税金・維持費・手間を徹底比較した結論
📋 この記事でわかる5つのメリット
- 【管理の手間】空き家の掃除・草刈りが不要になり、ストレスから解放される
- 【家賃収入】毎月安定した収入が得られ、維持費もまかなえる
- 【節税】経費計上・青色申告で税負担を軽減できる
- 【知識・経験】不動産経営の実践スキルと人脈が身につく
- 【社会貢献】空き家問題の解決と地域活性化に貢献できる
実家を貸す5つのメリット
メリット① 管理の手間・ストレスから解放される
空き家を持っている方なら分かると思いますが、家は人が住まなくなるとあっという間に傷みます。
庭には雑草が生え放題になり、湿気でカビが発生し、どこからかゴキブリや虫も侵入してきます。定期的な換気・清掃・庭の手入れ・設備の点検など、空き家の管理には思った以上に時間と手間がかかります。
わたしも祖父の家が空き家になってから、月に1〜2回、片道1時間かけて通い続けていました。草刈りをしても翌月にはまた伸びている…という繰り返しに、正直かなり疲弊しました。
しかし入居者が決まった瞬間、その管理の手間はすべてなくなりました。掃除も換気も草刈りも、入居者の方がしてくれるからです。遠方に住んでいる方や仕事が忙しい方にとって、これだけでも十分すぎるメリットと言えます。
空き家を放置するリスクも避けられる
空き家を放置すると、管理の手間だけでなく「特定空家」に指定されるリスクもあります。特定空家に指定されると固定資産税の軽減措置が外れ、税額が最大6倍に跳ね上がる可能性があります。賃貸に出して人が住んでいれば、こうしたリスクも回避できます。(→ 税金の詳しい解説はこちら)
管理会社に委託すれば、大家の手間はほぼゼロになります。委託費用の相場はこちらで確認できます。
👉 【費用相場まとめ】実家を貸すとき管理会社に払う手数料はいくら?安くする方法も解説
メリット② 毎月安定した家賃収入が得られる
実家を貸す最も分かりやすいメリットが、毎月入ってくる家賃収入です。
不動産を持っているだけで発生するコストには、固定資産税・火災保険・最低限のライフライン維持費などがあります。空き家のままでは純粋な「出費」ですが、賃貸に出せばこれらを家賃で賄えます。
「設備が壊れたら大家負担でしょ?」と心配する方も多いですが、設備の修繕費も家賃収入の中からまかなうことができます。そもそも住んでいなくても設備は経年劣化するため、賃貸に出す方が維持コストとして考えやすいのです。
また、将来的に実家に戻る可能性がある方は、「定期借家契約」を使えば契約期間を自分で設定できます。「5年間だけ貸す」という形にしておけば、必要なときに戻れる安心感を持ちつつ家賃収入も得られます。
収支のイメージ(一例)
例えば月5万円で貸した場合、年間60万円の収入になります。固定資産税・保険・修繕積立などで年間15〜20万円の経費がかかるとしても、差し引き年間40〜45万円のプラスになります。空き家のままだと年間15〜20万円の出費だけなので、その差は非常に大きいです。なお、家賃相場はエリア・築年数によって異なり、都市圏では月10万円以上になるケースも珍しくありません。
管理費や修繕費など維持コストの詳細はこちらで解説しています。
👉 管理費・諸経費の相場と節約方法はこちら
メリット③ 経費計上・青色申告で節税できる
実家を賃貸に出すと、かかった費用の一部を「経費」として確定申告できるようになります。これが節税につながります。
簡単に説明すると、「年間の家賃収入が100万円で、かかった費用が30万円なら、課税対象となる所得は70万円」という仕組みです。給与所得でも収入100万円と70万円では払う税金が変わりますよね、それと同じイメージです。
経費として計上できる主な項目は以下の通りです。
- 固定資産税・都市計画税
- 火災保険料・地震保険料
- 管理会社への管理委託費
- 修繕・リフォーム費用
- 借入金の利子(ローンがある場合)
- 不動産会社への仲介手数料
- 減価償却費
- 物件までの交通費・通信費など
💡 節税シミュレーション例
月6万円(年72万円)の家賃収入があり、経費が年30万円の場合、課税対象の不動産所得は42万円になります。
経費を計上しない場合(72万円課税)との差額は30万円。税率20%なら約6万円の節税になります。
ただし、確定申告が必要になる場合もありますので、初めての方は税務署の無料相談を活用するのがおすすめです。わたしも分からないことがあれば電話で相談していますが、丁寧に教えてもらえますよ。
青色申告にすれば最大65万円の控除も
賃貸経営で開業届を提出して青色申告を選択すれば、最大65万円の特別控除が受けられます(電子申告の場合)。副収入を得ながら節税効果を最大化できるのは、不動産賃貸経営ならではの強みです。
👉 【節税対策】実家を貸したら税金はいくらかかる?所得税・住民税・固定資産税をまとめて解説
メリット④ 不動産経営の知識・経験が積める
「ただ家を貸すだけでしょ?」と思われがちですが、実家を賃貸に出すことは、れっきとした不動産賃貸経営です。この経験を通じて、さまざまな実践的スキルが身に付きます。
具体的に得られる知識・経験は以下の通りです。
- 会計・簿記の知識:収支管理・確定申告を通じて、お金の流れを把握する力が身につく
- 節税・税務の知識:経費計上・青色申告など、税金を正しく理解できる
- 法律・契約の知識:賃貸借契約・定期借家契約・借地借家法など実務的な法律知識
- リフォーム・修繕の知識:業者との交渉・見積もり比較・DIYの判断軸が培われる
- マーケティング感覚:「どんな人に貸すか」「家賃をどう設定するか」など市場を読む力
- 人脈の形成:不動産管理会社・リフォーム業者・司法書士など専門家とのネットワーク
わたし自身、賃貸経営を始める前は「確定申告」も「減価償却」も「借地借家法」も全く知らない状態でした。でも、実際に経営してみることで、失敗しながらも自然と学べました。いまでは税理士さんや管理会社の担当者さんと対等に話せるようになり、お金・法律・不動産の知識が日常的に身についています。将来的に資産を増やしたい方・副収入を作りたい方にとって、実家の賃貸は最高の「実践の場」になります。難しく考えすぎず、まずはやってみることが一番の近道です。
メリット⑤ 地域の活性化に貢献できる
日本全国で空き家の数は増え続けており、2023年の調査では空き家率が過去最高の13.8%(総務省統計局)に達しました。空き家は地域にとってさまざまな問題を引き起こします。
- 衛生環境の悪化(ゴミ・害虫・雑草)
- 景観の悪化・治安の低下
- 火災・倒壊のリスク
- 不法侵入・犯罪の温床になりやすい
しかし実家を貸し出せば、新たな住民が地域に加わります。近所にとっても「人が住んでいる家」は安心感があり、地域コミュニティの維持・活性化にもつながります。
特に地方では若い世代の流出が深刻で、「空き家バンク」を活用して移住者を呼び込む動きも活発です。あなたが実家を貸すことが、地域に新しい住民を呼び込み、コミュニティを守ることにつながるのです。「家賃収入も得られて、地域の役にも立てる」──それが、実家の賃貸活用の最大の醍醐味ではないでしょうか。
実家を貸すデメリットも正直に伝えます
メリットばかり並べるのは正直ではないので、注意点もお伝えします。
⚠️ 入居者トラブルのリスク
家賃滞納・近隣トラブルなどが起きる可能性があります。ただし、管理会社に委託すれば対応はすべてお任せできます。自主管理でなく委託管理を選ぶことで、大半のリスクは軽減できます。
⚠️ 貸したら戻りにくくなる場合も
普通借家契約だと、入居者が住み続ける限りオーナーの都合では退去を求めにくいため「戻れない」状況になる場合があります。将来戻る可能性があるなら、定期借家契約(期間を決めて貸す契約)を使えば回避できます。
⚠️ 初期費用がかかることも
入居者を募集する前に、クリーニングや最低限のリフォームが必要なケースがあります。ただし費用は家賃収入から回収できるため、長期的にはプラスになります。
⚠️ 確定申告が必要になる
年間20万円超の家賃収入がある場合、確定申告が必要になります。ただし、これは節税の機会でもあります。青色申告を選択すれば経費控除も受けられるため、むしろ税負担を減らせる可能性があります。
デメリットはあるものの、多くは事前の準備や契約方法の工夫で対処できます。詳しくはこちらの記事で解説しています。
👉 【後悔しないために】知っておきたい実家を貸すデメリット。対策も紹介します!
まとめ:実家を貸すメリットは家賃収入だけじゃない
改めて、実家を貸すことで得られる5つのメリットをまとめます。
| # | メリット | 具体的な効果 |
|---|---|---|
| ① | 管理の手間・ストレスから解放される | 草刈り・換気・点検など空き家管理から完全解放。遠方在住の方にも最大のメリット |
| ② | 毎月安定した家賃収入が得られる | 月5万円なら年60万円。維持費を差し引いても年40〜45万円のプラスに |
| ③ | 節税ができる | 経費計上で課税所得を減らせる。青色申告で最大65万円の特別控除も |
| ④ | 不動産経営の知識・経験が積める | 会計・税務・法律・リフォームなど実践的なスキルが自然に身につく |
| ⑤ | 地域の活性化に貢献できる | 空き家問題の解消・地域コミュニティの維持に貢献。社会的意義も大きい |
実家の賃貸経営は、難しそうに見えて、一つひとつのステップを踏んでいけば初めてでも必ずできます。このサイトでは、名義変更・リフォーム・入居者探し・大家としての管理まで、実家を貸すために必要な知識をすべて公開しています。
まずは「そもそも貸せる家かどうか」を確認するところから始めましょう。
その後のステップ(名義変更・リフォーム・入居者募集)もこちらから読めます。
👉 相続した空き家の不動産登記、費用はいくら?(STEP1 名義変更)
👉 空き家を貸すならリフォームした方がいい?(STEP2 片付け・リフォーム)
👉 空き家の入居者募集方法を解説!自分でやる場合とプロに頼む場合を徹底比較
🏠 まず何から始めればいい?
実家を貸す前に「そもそも貸せる状態か」を確認することが最初のステップです。条件・注意点・解決策をまとめた入門記事からどうぞ👇
👉 実家を貸す前に必ず確認!貸してはいけないケースとは?

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