「実家を将来どうしよう」と考え始めたとき、最初の一歩にぴったりなのが登記簿の確認です!
低コスト、リスクなし、得られる情報は多いのにとっても簡単😁
とはいえ、「登記簿なんて見たことがない」「法務局に行かないとダメなの?」と身構えてしまいますよね。私も祖父の家(築45年)を貸すことになるまで、登記簿とは無縁の生活でした。
でも実は登記簿は誰でも・自宅から・1件330円で見られます。法務局に行く必要はありませんし、親の同意や委任状もいりません。
この記事では、次の3つをまるっと解説します。
- 実家の登記簿を自宅から調べる方法(手順つき)
- 登記簿のどこを見ればいいか(読み方は3ヶ所だけ)
- 両親が存命のうちに調べておくべき理由
実際に取ってみると、拍子抜けするほど簡単です。気軽に一つひとつ進めていきましょう!
結論:実家の登記簿はネットで330円、見るのは3ヶ所だけ
先に結論をまとめます。
- 調べ方:「登記情報提供サービス」を使えば、自宅のパソコンやスマホから1件330円でPDFを閲覧・保存できます
- 読み方:見るべきは「表題部」「権利部(甲区)」「権利部(乙区)」の3ヶ所。特に大事なのは甲区の「名義が誰か」です
- タイミング:相続後ではなく、両親が元気なうちに確認しておくのがおすすめです
私が祖父の家を貸すことになったとき、登記簿を確認して初めて分かったことがいくつもありました。名義の問題は、判明するのが早いほど打てる手が増えます。
準備:登記簿は住所では調べられない|地番の調べ方3つ

手順に入る前に、ひとつだけ準備が必要です。それが「地番(ちばん)」の確認です。
なぜかというと、登記簿は普段使っている住所(住居表示)ではなく、法務局が土地につけた地番という別の番号で管理されているからです。「〇〇市△△町1丁目2番3号」という住所と、登記簿上の地番は一致しないことがよくあります。
地番は次の方法で調べられます。
- 固定資産税の課税明細書を見る(毎年春に届く納税通知書に同封。地番と家屋番号が載っています)
- 管轄の法務局に電話で聞く(「地番照会をお願いします」と言えば、住所から無料で教えてもらえます)
- 登記情報提供サービス内の地番検索を使う(利用登録後に無料で使えます)
実家なら①が一番手軽です。親に「固定資産税の紙、見せてもらえる?」と頼めば、それだけで準備完了です。
実家の登記簿をネットで取る手順|登記情報提供サービスの使い方5ステップ

ここからが本題の取得手順です。
その前に、よく似た3つの言葉を整理しておきます。登記簿謄本は紙の帳簿で管理していた時代の呼び名で、今も通称として広く使われています。登記事項証明書は現在の正式名称で、法務局が発行する提出用の公的な証明書のこと。そして登記情報は、登記情報提供サービスで閲覧できるPDFを指します。中身はほぼ同じですが、登記情報には証明文や公印が付かないため、証明書としては使えません。実家の名義を確認したいだけなら、一番安く済む登記情報で十分です。
「登記情報提供サービス」は、法務局が持つ登記記録をインターネット経由で閲覧できる公式サービスです。取得できるPDFの中身は法務局で取る登記簿謄本とほぼ同じで、料金は1件330円と一番安く済みます(登記情報提供サービス公式の利用料金より。2026年4月改定の最新料金です)。
「中身を確認したいだけ」ならこれで十分です。役所などに提出する証明書が必要な場面では使えませんが、実家の名義チェックが目的なら証明書である必要はありません。
手順は次のとおりです。
- 登記情報提供サービスの公式サイトを開く
- 「一時利用」を選ぶ(登録費ゼロ。クレジットカードがあればすぐ使えます)
- メールアドレスを登録し、届いたIDでログインする
- 「不動産請求」で実家の地番を入力し、「全部事項」を選ぶ
- 表示されたPDFを保存する(土地と建物は別々なので、両方で2件660円)
利用時間は平日の夜23時まで、土日祝も夕方まで使えます。仕事帰りでも大丈夫です。
「一時利用」と「個人登録」、どっちを選べばいい?
登記情報提供サービスには、登録なしで使える一時利用と、IDを持って使う個人登録(個人利用者登録)の2つがあります。個人登録には別途330円の登録費用がかかるので、「今回、実家の登記簿を調べてみたいだけ」という人は一時利用で十分です。登録費ゼロで、その場でクレジットカード決済すればすぐに見られます。
一方で、これから不動産業をやるつもりの人や、何度も登記簿を見る予定がある人は、個人登録しておいてもいいと思います。毎回クレジットカード番号を入力する必要がなくなりますし、マイページが作れるので請求の履歴もまとめて管理できます。これが330円なら安くていいですね。ちなみに私は登録しています😊
ここで初心者がつまずきやすいポイントを2つ挙げておきます。
- 土地と建物は別の登記簿です。「土地だけ取って安心」しないよう、必ず両方確認しましょう
- 建物を検索しても出てこない場合、未登記建物の可能性があります(後述しますが、これこそ早く知れてラッキーな情報です)
法務局で登記事項証明書を取る方法|窓口600円・オンライン請求520円
銀行や役所への提出用に正式な「登記事項証明書」が必要な場合は、こちらを使います。
- 法務局の窓口:1通600円。全国どこの法務局でも取れます(実家の近くでなくてOK)
- オンライン請求→郵送:1通520円。法務局の「かんたん証明書請求」から申し込めます(法務局:オンライン請求のご案内)。郵送ではなく最寄りの法務局で受け取る場合は、さらに安い490円です
料金を比べると、こうなります。
| 方法 | 料金 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 登記情報提供サービス | 330円/件 | 中身を確認したいだけの人(まずはこれ) |
| オンライン請求・郵送 | 520円/通 | 証明書が必要だが法務局が遠い人 |
| 法務局の窓口 | 600円/通 | 職員に相談しながら取りたい人 |
実家の登記簿の読み方|表題部・甲区・乙区の3ヶ所だけ

PDFを開くと、漢字だらけの表が並んでいて面食らうかもしれません。でも安心してください。実家を貸す・相続する目的なら、見るべきは3ヶ所だけです。
① 表題部:その不動産の「プロフィール」
表題部には、所在・地番・家屋番号・床面積・構造など、不動産の基本情報が載っています。
ここでのチェックポイントは1つです。
- 現実の建物と合っているか(増築したのに床面積が昔のまま、といったズレがないか)
② 権利部(甲区):一番大事な「名義」
甲区には所有者の氏名と住所が載っています。この記事で一番大事なのがここです。
チェックポイントは2つあります。
- 名義人は誰か(お父さん?お母さん?それとも…亡くなった祖父母のまま?)
- 共有になっていないか(複数人の名前と「持分2分の1」などの記載があれば共有名義です)
共有名義だった場合は、貸すときに共有者の同意が必要になります。ここはとっても重要なので、早めに確認できるは本当にありがたい。ここだけでもコストをかける価値があると感じます。共有名義の詳しい対処法は共有名義の実家を貸す方法で解説しています。
③ 権利部(乙区):住宅ローンなどの「抵当権」
乙区には、抵当権(借金の担保になっているか)が載っています。
- 抵当権が残っていないか(完済していても、抹消登記をしないと記載が残ったままのことがあります)
- 乙区の記載が何もなければ一番シンプルで安心な状態です
住宅ローン完済後に抹消登記を忘れているケースは意外と多く、売却や大きなリフォームの融資の際に必ず引っかかります。見つけたら早めに抹消しておきましょう。
両親が存命のうちに調べておくべき3つの理由
「親が生きているのに登記簿を調べるなんて、なんだか気が引ける…」と感じる方もいるかもしれません。
でも登記簿は誰でも見られる公開情報です。こっそり探るためではなく、家族が後々困らないようにするための重要な準備行動だとわたしは考えています😊
理由① 「実は祖父母名義のまま」が珍しくないから
私の祖父の家がそうだったように、名義が一世代前(場合によっては曾祖父!)のまま、というケースは本当によくあります。
世代をさかのぼるほど相続人の数は増え、手続きに必要な戸籍集めや話し合いは一気に大変になります。親が元気なうちに分かれば、親自身に事情を聞ける・親の代で整理してもらえるという大きなアドバンテージがあります。
理由② 相続登記が義務化されたから
2024年4月から相続登記は義務になりました。相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記しないと、10万円以下の過料の対象になる可能性があります(法務省:相続登記の申請義務化について)。
しかもこの義務は、過去の相続にもさかのぼって適用されます。「昔の相続だから関係ない」は通用しません。登記簿を見て古い名義のままだと分かったら、それは今まさに対処が必要なサインです。手続きの費用や自分でできるかどうかは相続した空き家の不動産登記の進め方でまとめています。
理由③ 「貸す・売る・住む」の検討が早く始められるから
名義・共有・抵当権という土台の情報がはっきりすると、実家の将来の選択肢を具体的に考えられるようになります。
実家をいずれ貸したいと考えているなら、登記簿の確認とあわせて実家を貸す前に確認しておきたいことにも目を通しておくと、全体の流れがつかめます。「貸すか、売るか」で迷っている段階なら、実家を賃貸に出せない・出したくない場合はどうする?で判断の分かれ目を整理しています。
実家の登記簿の調べ方に関するよくある質問
Q. 親に黙って実家の登記簿を取っても大丈夫?
A. 法律上は問題ありません。登記簿は誰でも取得できる公開情報です。もし何かが発見したら所有者に「そういえばこのお家の登記とかはどうなっているの?」と気軽に聞いて、家族の話し合いのきっかけにするのも良いかもしれません。
Q. 建物が検索しても出てきません。
A. 未登記建物の可能性があります。古い家では珍しくありませんが、相続や売却、融資の場面で困ることがあるため、固定資産税の課税明細書と照らし合わせたうえで、法務局や土地家屋調査士に相談してみてください。どこに相談すればいいか迷ったときは空き家の相談先まとめも参考にしてみてください。
Q. 登記簿を取ったら親に通知が行きますか?
A. 行きません。誰がいつ取得したかが名義人に通知される仕組みはありません。
Q. 実家の登記簿はコンビニで取れますか?
A. 取れません。コンビニ交付の対象は住民票や印鑑登録証明書などで、不動産の登記事項証明書は含まれていません。ネットの登記情報提供サービスか、法務局の窓口・オンライン請求を使ってください。
Q. 実家の登記簿を無料で調べる方法はありますか?
A. 登記簿そのものを無料で見る方法はありません。ただし名義のあたりをつけるだけなら、固定資産税の課税明細書で納税義務者を確認する手があります。また登記情報提供サービスには名義と持分だけを見られる「所有者事項」(140円)もあるので、費用を抑えたいときはこちらも使えます。
Q. スマホだけで登記簿を取れますか?
A. 取れます。登記情報提供サービスはスマートフォンのブラウザからも利用でき、表示されたPDFをそのまま保存できます。決済はクレジットカードのみなので、手元にカードを用意しておきましょう。
Q. 取得したPDFはいつまで見られますか?
A. 再表示できる期間には制限があります。取得したその場で必ず保存し、土地と建物をセットにしてフォルダにまとめておくと、あとから探すときに困りません。
まとめ:330円の「実家の健康診断」、今日からできます
最後に、この記事のポイントをおさらいします。
- 実家の登記簿は自宅からネットで1件330円で確認できる(土地と建物で2件)
- 事前に必要なのは地番だけ。固定資産税の課税明細書か法務局への電話で分かる
- 読むべきは3ヶ所。甲区の名義が最重要で、祖父母名義・共有・抵当権が三大チェックポイント
- 相続登記は義務化済み。両親が存命のうちの確認が、家族の選択肢を一番広く保つ
登記簿の確認は、いわば実家の健康診断です。330円と30分で、将来の大きなつまずきを予防できます。
名義が古いままだと分かった方は相続登記の進め方へ、確認が済んで「貸す」を考え始めた方は貸す前の確認事項へ進んでみてください。焦らず一つひとつ、で大丈夫です。

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