相続で実家を引き継いだら、きょうだいや親族との「共有名義」になっていた——。そんなとき、「この家を貸して家賃収入を得たいけど、わたし一人の判断で決めちゃっていいの?」と悩んでしまいますよね^^;
結論から言うと、共有名義でも実家を貸すことはできますが、正直あまりおすすめはできません^^; というのも、単独名義の家とちがって手続きが難しく、家賃の分配や意思決定をめぐって、あとあと共有者どうしでトラブルになるケースが少なくないからです。だからわたしの本音としては、「無理に共有のまま貸すより、まずは名義を整理するほうがいいよ」と思っています。
とはいえ「それでも貸したい」「まず仕組みを知りたい」という方のために、貸すための条件・手順から、知っておくべきリスクや注意点まで、まるっとお伝えしますね!
※この記事は制度の一般的な解説です。共有名義は法律・税金の判断が分かれやすい分野なので、実際に契約や手続きを進めるときは、必ず弁護士・司法書士・税理士などの専門家に相談してくださいね。
共有名義の不動産を貸す前に|「必要な同意」早わかり表
細かい話に入る前に、いちばん大事な「どんな貸し方だと誰の同意が必要か」をざっくり表にまとめました。まずはここだけ押さえればOKです^^
| 貸し方のパターン | 必要な同意 | ポイント |
|---|---|---|
| 短期間の賃貸(建物3年・土地5年以内が目安) | 持分の過半数 | 「管理行為」として過半数でOK。人数ではなく持分割合で判断 |
| ふつうの居住用賃貸(普通借家契約) | 実質全員の同意が安全 | 借地借家法で自動更新され簡単に終われないため |
| 定期借家(短期の範囲内) | 持分の過半数で対応できる余地あり | 期間満了で確実に終わる契約。判断が微妙なので専門家に確認を |
| 長期の賃貸借(上限期間を超える) | 原則全員の同意 | 「変更行為」として扱われやすい |
この表を見て「あれ、思ったよりハードル高い…?」と感じた方、その感覚は正しいです^^; では、ひとつずつ見ていきましょう。
そもそも「共有名義」ってなに?相続で増えがちな理由
共有名義とは、ひとつの不動産を複数の人が「持分(もちぶん)」という割合で分け合って持っている状態のことです。たとえば実家を長男・次男・長女の3人で相続して、それぞれが3分の1ずつ持っている、というのが典型的なパターンですね。
相続で共有名義になりやすいのは、「誰か一人が家を継ぐと不公平だから、とりあえず全員の名義にしておこう」となりがちだからです。一見すると平等で円満に見えるんですが、いざ「貸す」「売る」「リフォームする」となると、全員の足並みをそろえないといけなくて、一気に話が進まなくなります。これが共有名義の最大の落とし穴なんです^^;
共有名義の不動産を貸すのに必要な同意【ここが肝心】
共有名義の不動産を貸すこと自体はできます。ただ、必要な同意の数は「貸し方」によって変わります。ポイントは、その行為が民法でいう「管理行為」なのか「変更(処分)行為」なのか、というところです。
原則:短期間の賃貸なら「持分の過半数」でOK
民法では、共有物を一定の短期間で貸し出すことは「管理行為」にあたり、共有者の持分価格の過半数の同意で決められるとされています。ここでとっても大事なのが、「人数の過半数」ではなく「持分割合の過半数」だという点です。
たとえば持分がAさん60%・Bさん40%なら、Aさん一人の同意で過半数を満たせます。でも3人で均等(各3分の1)に持っている場合は、少なくとも2人の同意が必要になるんですね。
2023年(令和5年)4月に施行された民法改正では、この「過半数で決められる短期賃貸借」の期間の目安が明確になりました。だいたい建物は3年以内、土地は5年以内が基準です。この範囲なら、共有者全員の同意までは求められないのが原則です。
要注意:ふつうの賃貸(普通借家)は「全員の同意」が安全
ここが、実は一番カン違いされやすいポイントなんです^^; 居住用に一戸建てやお部屋を貸す通常の賃貸借契約(普通借家契約)は、借地借家法が適用されて、契約期間が来ても入居者を守るために自動的に更新されるのが原則です。つまり、大家側の都合では簡単に終われないんですね。
このように「約束した期間で確実に終わる保証がない」賃貸は、共有者みんなへの影響が大きいので、たとえ形の上では短期でも、実質的には共有者全員の同意が必要と考えられるのが一般的です。だから、相続した実家をふつうに人に貸すなら、「過半数でいいや」と安易に考えず、共有者全員の合意を取っておくのが安全ですよ。
ちなみに、期間満了で確実に終わる「定期借家契約」を短期の範囲内で結ぶ場合は、持分の過半数で対応できる余地もあります。ただこのあたりは判断が微妙なので、契約の形を選ぶ段階から専門家に相談するのがおすすめです。定期借家と普通借家の違いについては、こちらの記事でくわしく解説しているので合わせてどうぞ^^
▶ 【普通借家 vs 定期借家】実家を貸すならどっち?後悔しない契約形態の選び方を大家が解説
共有名義で貸すときによくあるトラブル3つ
共有名義ならではの「もめごと」も知っておきましょう。事前に知っておくだけで、ずいぶん防ぎやすくなります^^
1. 家賃の分け方でもめる
共有物から出る家賃などの収益は、原則として各共有者の持分割合に応じて分けます。でも「実際に管理の手間をかけてるのはわたしだけなのに、家賃は割合どおりに持っていかれるの?」という不満が出やすくて、事前に取り決めをしていないと後々こじれます^^;
2. 修繕費・管理費の負担でもめる
固定資産税や修繕費といった費用も、原則は持分割合に応じてみんなで負担します。誰かが立て替えたのに、ほかの共有者が払ってくれない…というトラブルは、相続がらみの共有では本当によく起こります。
3. 意思決定が止まって前に進まない
共有者の一人が「貸したくない」「別の使い方をしたい」と反対すると、必要な同意が得られず、賃貸そのものが止まってしまいます。共有者が遠方にいたり、連絡がつきにくかったり、さらに相続が重なって共有者が増えていたりすると、話をまとめるだけで大変な労力になります…。
共有名義で貸すときの契約・税金・管理の注意点
実際に貸すとなったときの、実務的な注意点もまとめておきますね。
- 契約書:原則として同意した共有者を貸主として明記します。誰を窓口(代表者)にするか、家賃の受取口座や分配方法も、先に共有者どうしで書面にしておくとトラブルを防げます。
- 税金(確定申告):家賃収入は持分に応じて各共有者の不動産所得になるので、それぞれが確定申告する必要があります。「代表者がまとめて申告すればOK」ではない点に注意です。減価償却や経費の扱いも共有者ごとに関わるので、税理士に確認しておくと安心ですよ。
- 管理:誰が入居者対応や物件管理をするのかも、あいまいにせず決めておきましょう。手間が一人に偏ると、上で書いた家賃分配のもめごとにつながります。
▶ 確定申告が気になる方はこちら:【実体験】空き家を貸すとき確定申告は必要?家賃収入20万円以下でも申告すべきか
【大家の本音】共有名義を解消する方法|貸す前に検討したい選択肢
ここまで読んで「思ったよりややこしい…」と感じた方、その感覚、わたしもまったく同感です^^; 共有名義のまま賃貸に出すって、同意の取り付け・収益や費用の分配・将来の売却まで、あらゆる場面で共有者全員が関わり続けるということなんですよね。関係が良好なうちはいいんですが、世代が変わって共有者が増えると、収拾がつかなくなるリスクがあります。
だからこそ、貸す前に次のような選択肢も一緒に考えてみてほしいなと思います。
- 持分の集約(買い取り):実際に活用したい人が、ほかの共有者から持分を買い取って単独名義にする方法。単独名義になれば、貸すのも売るのも自分の判断でサクサク進められます。
- 共有物分割:共有状態そのものを解消する手続き。話し合い(協議分割)でまとまらなければ、裁判所を通じた分割という道もありますが、時間もお金もかかります。
- 全員で売却:賃貸にこだわらず、共有者全員で売って現金で分ける方法。管理の手間や将来のトラブルを避けたいなら、有力な選択肢です。
正直な話、共有者の関係や人数によっては、「無理に共有のまま貸さず、名義を整理してから活用する」または「売って清算する」ほうが、長い目で見て平穏なケースも少なくありません。どの道が自分たちに合うかは、共有者の人数・関係・物件の状況によって大きく変わります。まずは家族でよく話し合ってみてくださいね。
▶ そもそも貸せない・貸したくないと感じたら:実家を賃貸に出せない・出したくない場合はどうする?売却を検討すべきケースと注意点まとめ
【要注意】悪質な「共有持分の買取業者」の手口
ここでどうしても伝えておきたい、こわ〜い話があります^^; 共有名義を放置していると、こんなトラブルに巻き込まれることがあるんです。
それが、悪質な「共有持分の買取業者」の存在です。実は、自分の持分は、ほかの共有者の同意がなくても自分一人の判断で第三者に売れてしまいます。ここに目をつけた業者が、共有者の一人(お金に困っている人など)に近づいて、持分だけを相場よりずっと安く買い取ってしまうことがあるんですね。
問題はそのあとです。持分を手に入れた業者は、残された共有者(つまりあなた)に対して、こんなふうに迫ってくることがあります。
- 「うちの持分を高く買い取ってください」と、相場よりかなり高い金額を請求してくる
- 「じゃあ、あなたの持分を安く売ってください」と、二者択一を迫って強引に交渉してくる
- 応じないと、「共有物分割請求訴訟」を起こし、最悪の場合は家が競売にかけられてしまうことも
- 「あなたが家を使っているぶんの家賃相当額(使用対価)を払え」と請求してくるケースもある
「思い出の実家なのに、見ず知らずの業者から突然お金を請求される」なんて、考えるだけでゾッとしますよね…。しかもこれ、法律の枠内で行われることも多く、「違法だから」と簡単にはね返せないのがやっかいなところです^^;
身を守るための3つのポイント
- 自分の持分を安易に業者へ売らない:「今すぐ現金化できますよ」という甘い誘いには要注意。安く買いたたかれるだけでなく、ほかの共有者(家族)に迷惑がかかることもあります。
- 業者から連絡が来ても、その場で契約しない:強引な勧誘や「今日中に決めて」といった急かしには絶対に応じないこと。いったん持ち帰って、必ず専門家に相談しましょう。
- 早めに弁護士・司法書士に相談する:すでに業者が絡んでしまった場合も、あきらめずに専門家へ。交渉や訴訟への対応は、素人が一人で抱え込むと不利になりがちです。
正直に言うと、わたしは共有持分はメリットがほとんどないと思っています。使うのも貸すのも売るのも、いちいち他人の同意が必要で、そのうえこうした業者トラブルのリスクまで背負うことになります。だからこそ、共有状態はできるだけ早く解消することを個人的には強くおすすめします。持分の買い取りで単独名義にする、みんなで話し合って分割する、まとめて売却する——方法はいろいろあります。「まだ大丈夫」と先延ばしにせず、家族が元気で話し合えるうちに動くのが、いちばんの安全策ですよ^^
まとめ:共有名義でも貸せる。でも「同意」と「出口」をしっかり
最後にポイントをまとめますね^^
- 共有名義でも実家を貸すことはできる
- 短期の範囲なら「持分の過半数」、ふつうの居住用賃貸(普通借家)は実質「全員の同意」が安全
- 同意は「人数」ではなく「持分割合」で判断する
- 家賃・費用の分配、確定申告など、単独名義にはない手間が生じる
- 不安があるなら、持分の買い取り・共有物分割・売却も含めて検討を
共有名義は「みんなのもの」だからこそ、勢いで進めるとあとで気まずくなりがちです^^; 貸す前に、共有者みんなで方針をそろえて、必要なら早めに弁護士・司法書士・税理士に相談すること。これが、いちばんのトラブル回避策になります。あなたの実家が、みんなが納得できる形で活きますように。応援しています😊
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