空き家を賃貸に出すとき「空き家バンク」は使えるの?メリット・デメリットと手続きの流れ

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「空き家バンクって、実際に使えるの?」「普通の不動産会社と何が違うの?」――相続や実家の管理で空き家を抱えている方から、よくこんな疑問が寄せられます。

わたし自身も実家が空き家になったとき、最初に空き家バンクを調べました。「自治体がやっているなら安心そう、費用も安そう」と感じたからです。でも実際に調べてみると、「誰でも使えるわけではない」「都市部の物件には向かない」など、思っていたより制約が多いことがわかりました。

この記事では、空き家バンクの仕組み・メリット・デメリット・登録手続きの流れを大家目線でわかりやすく解説します。「空き家バンクを使うべきか」の判断軸もお伝えするので、ぜひ最後まで読んでみてください。

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空き家バンクとは?制度の仕組みをわかりやすく解説

空き家バンクとは、市区町村などの自治体が運営する、空き家情報を登録・公開して利用希望者とマッチングする制度です。空き家を「貸したい・売りたい」オーナーと、「借りたい・買いたい」利用希望者を結びつける公的なプラットフォームです。

全国的な窓口として、国土交通省・総務省が整備した「全国版空き家・空き地バンク」があります。アットホームとLIFULL HOME’Sの2社が運営に参加しており、全国の自治体が登録した空き家情報を一元的に検索できます。

👉 全国版空き家・空き地バンク(国土交通省公式)

利用できるケースは主に2種類です。

  • 賃貸(貸したい・借りたい):所有権はそのままで、入居者に貸し出す
  • 売買(売りたい・買いたい):空き家を売却して手放す

この記事では「賃貸に出す」ケースに絞って解説します。

空き家バンクに登録される空き家のイメージ(日本の一軒家)

空き家バンクを使って賃貸に出す4つのメリット

①登録・掲載が完全無料

空き家バンクへの物件登録は基本的に無料です。自治体が運営するサービスのため、掲載費・広告費は一切かかりません。民間の不動産ポータルへの有料掲載とは異なり、初期コストゼロでスタートできます。

②移住・定住希望者など特定ニーズ層に直接届く

空き家バンクを積極的に検索する層は、地方移住・田舎暮らし・古民家再生といった目的を持つ人が多い傾向があります。そのため、「古くても味がある」「広い庭がある」「交通が不便でも構わない」といった物件でも、マッチングしやすい場合があります。

地方移住のイメージ(空き家バンクは地方物件に向いている)

③自治体の補助金・支援制度とセットで使える

自治体によっては、空き家バンクへの登録と合わせて以下のような支援を受けられます。

  • 空き家の片付け・清掃費用の補助
  • リフォーム・改修費用の補助金
  • 移住者向けの家賃補助制度(入居者側へのサポート)
  • 相談窓口・専門家(宅建士・建築士など)への無料相談

補助制度の内容は自治体によって大きく異なります。まずは物件がある市区町村の「移住・定住担当」や「空き家対策課」に問い合わせてみましょう。また、総務省が運営する空き家対策に関する情報(総務省)も参考になります。

④競合が少なく入居者が見つかりやすいケースも

大手賃貸ポータル(SUUMO・HOME’Sなど)と比べて、空き家バンクに掲載されている物件数は少ない傾向にあります。逆に言えば、競合物件が少なく、検索上位に表示されやすいというメリットもあります。特に地方で移住希望者を対象とした物件では、空き家バンク経由で早期に問い合わせが来るケースもあります。

空き家バンクを使って賃貸に出す3つのデメリット

①成約まで時間がかかりやすい・集客数が少ない

空き家バンクの閲覧者数は、SUUMO・HOME’Sなどの大手賃貸ポータルと比べると圧倒的に少ないです。地域や物件の条件によっては、掲載から成約まで数ヶ月〜1年以上かかるケースも珍しくありません。早期に入居者を確保したい場合は、空き家バンクだけへの依存はリスクがあります。

②都市部の物件には向いていないことが多い

空き家バンクは主に「地方・農村部・中山間地域」の物件を対象として設計されており、都市部の物件登録を受け付けていない自治体もあります。都市部では民間の不動産会社・賃貸ポータルのほうが圧倒的に集客力が高く、空き家バンクを使うメリットが薄れる場合がほとんどです。

③登録・手続きに手間がかかる場合がある

自治体ごとに登録手続きや必要書類が異なります。登記簿謄本・固定資産税の課税明細書など複数の書類を用意する必要があるケースが多く、慣れていない方には少し手間に感じることもあります。

空き家バンクへの登録手続きをするイメージ

【比較まとめ】空き家バンク vs 民間不動産会社

空き家バンクと民間不動産会社の違いを表で整理します。

項目空き家バンク民間不動産会社
掲載費用無料有料(仲介手数料・管理費など)
集客力低い(閲覧者数が少ない)高い(SUUMO・HOME’S等に掲載)
成約までの期間長くなりやすい比較的短い
対象エリア地方・農村部向けが多い全国対応
補助金との連携あり(自治体によって異なる)基本なし
手続きの手軽さ書類が多い場合あり不動産会社が代行してくれる
入居後の管理基本オーナー自身が対応管理会社に一任できる

空き家バンクへの登録手続きの流れ(STEP1〜4)

実際に空き家バンクへ登録するときの一般的なステップを紹介します。自治体によって多少異なりますが、おおむね以下の流れです。

STEP1:物件がある自治体の空き家バンクを調べる

まず、物件がある市区町村が空き家バンクを運営しているかどうかを確認します。自治体のウェブサイトで「空き家バンク」と検索するか、全国版空き家・空き地バンク(国土交通省)から対象自治体を探すと便利です。

STEP2:必要書類を用意する

一般的に必要な書類は以下のとおりです。

  • 空き家バンク登録申請書(自治体の書式)
  • 登記事項証明書(登記簿謄本)
  • 固定資産税の課税明細書(または納税通知書)
  • 物件の写真(外観・内観)
  • 物件の間取り図(ある場合)

登記事項証明書は法務局またはオンライン(登記ねっと|法務省)で取得できます。手数料は1通600円程度です。

STEP3:自治体に申請・審査・現地確認

申請書類を提出すると、自治体の担当者が内容を確認します。場合によっては現地調査(物件の状態確認)が行われます。倒壊の危険があるような著しく老朽化した物件は、登録を断られることもあります。

STEP4:掲載開始→問い合わせ対応→契約

審査が通ると、自治体のウェブサイトや全国版空き家バンクに物件が掲載されます。その後、自治体担当者を通じて希望者と連絡を取り、内覧・条件交渉を行います。最終的には提携している不動産会社(宅建業者)を通じて正式な賃貸借契約を締結します。

契約形態(普通借家か定期借家か)の選び方については、こちらで詳しく解説しています。
👉 【普通借家 vs 定期借家】実家を貸すならどっち?後悔しない契約形態の選び方を大家が解説

空き家バンクだけに頼らず不動産会社との併用がベスト

空き家バンクは「無料で掲載できる・移住希望者など特定層に届く」という強みがある一方、「成約まで時間がかかる・集客数が少ない」という弱みも明らかです。

そこでわたしがおすすめするのは、空き家バンクへの登録と並行して、民間の賃貸管理会社・不動産会社にも依頼するという方法です。

民間の管理会社に依頼すると、SUUMO・HOME’Sなどの大手賃貸ポータルにも物件が掲載されるため、圧倒的に多くの人の目に触れます。管理会社は入居者募集から契約手続き・入居後の管理まで一手に引き受けてくれるので、オーナーの手間も大幅に減ります。

管理会社にかかる費用(手数料)については、こちらで詳しく解説しています。
👉 【費用相場まとめ】実家を貸すとき管理会社に払う手数料はいくら?安くする方法も解説

「空き家バンクに登録しながら、管理会社にも並行して依頼する」というのが、空き家を賃貸に出すときの現実的なベストアンサーだとわたしは思っています。

よくある質問(FAQ)

Q. 空き家バンクに登録すると費用はかかりますか?

A. 自治体が運営する空き家バンクへの登録は基本的に無料です。ただし、契約成立後に提携不動産会社へ仲介手数料を支払うケースがあります。詳細は登録先の自治体に確認してください。

Q. 空き家バンクとLIFULL HOME’Sの空き家バンクは何が違いますか?

A. 国土交通省・総務省が整備した「全国版空き家・空き地バンク」は、LIFULL HOME’SとAtHomeの2社が運営プラットフォームとして参加しています。一方、各自治体が独自に運営する空き家バンクもあります。全国版はこちらの公式サイトから検索できます。

Q. 都市部(東京・大阪など)の空き家でも空き家バンクに登録できますか?

A. 都市部の物件は登録を受け付けていない自治体も多いです。また、都市部では民間の不動産会社・賃貸ポータルの集客力が圧倒的に高いため、空き家バンクよりも民間不動産会社への依頼がおすすめです。

Q. 空き家バンクに登録している間、固定資産税の特例は使えますか?

A. 空き家バンクへの登録と固定資産税の特例(住宅用地特例)は別の制度です。ただし、空き家を賃貸に出すことで「特定空家」指定リスクを回避できる場合があります。税制上の扱いについては管轄の市区町村や税理士に相談することをおすすめします。

まとめ:空き家バンクは「地方物件×移住希望者向け」に効果的

この記事の内容をまとめます。

  • 空き家バンクは自治体が運営する無料の空き家マッチング制度で、国土交通省・総務省が整備した全国版もある
  • メリットは「無料掲載」「移住希望者へのリーチ」「補助金との連携」など
  • デメリットは「集客力が低い」「都市部向きではない」「手続きに手間がかかる」など
  • 空き家バンクだけに頼るのではなく、民間の賃貸管理会社との併用が現実的なベストアンサー

空き家を賃貸に出すための全体的な流れについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
👉 空き家を賃貸に出すまでの全手順を大家が解説!費用・期間・注意点まとめ【チェックリスト付き】

著者プロフィール
さゆ

戸建て専門の不動産賃貸経営者。築45年の祖父の家を賃貸に出したことをきっかけに、空き家活用に取り組む。

過去の自身のような「空き家で困っている人」の助けになるように情報発信中。同じ悩みを持つ方が一歩踏み出せるよう、体験談をもとにリアルな情報をお届けします。

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