実家を貸す前に火災保険はどうすればいい?賃貸用と自宅用の違いをわかりやすく解説

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実家を賃貸に出す準備を進める中で、火災保険のことは後回しになりがちです。でも実は後回しにすると後悔するリスクが高い項目のひとつ。賃貸に出した瞬間から、今入っている保険が「使えない保険」になっている可能性があるからです。

この記事では、実家を貸す前に知っておきたい火災保険の基本から、自宅用と賃貸用の違い、切り替えのタイミングと手順まで、わかりやすくまとめています。わたし自身も実家を賃貸に出すときに保険の切り替えで迷った経験があるので、そのリアルな体験もふまえながら解説していきます😊

まだ「そもそも実家を貸すかどうか」で悩んでいる方はこちらから読んでみてください。
👉 空き家を賃貸に出すまでの全手順を大家が解説!費用・期間・注意点まとめ【チェックリスト付き】

賃貸に出すと今の火災保険が「使えなくなる」理由

まず大前提として知っておいてほしいのが、火災保険は「建物の用途」によって保険料や補償内容が変わるという点です。

火災保険では、建物を大きく「住宅物件」と「一般物件」に分類しています。自分や家族が住む自宅は「住宅物件」扱いですが、第三者(入居者)に貸し出す賃貸物件は「一般物件」または「住宅物件(賃貸)」として扱われます。この分類が変わると、適用される約款(ルール)も変わるため、現在加入している保険がそのまま有効に使えなくなるケースが出てきます。

具体的には、以下のような問題が起こりえます。

  • 保険会社への告知義務違反になる:火災保険は加入時や更新時に「建物の用途(自宅か賃貸か)」を告知する義務があります。賃貸に出したのに自宅用のままにしておくと、告知義務違反となります。
  • いざというとき保険金が支払われない可能性がある:告知義務違反が発覚すると、保険契約を解除されたり、保険金の支払いを拒否されたりすることがあります。火事が起きたときに保険金が出なかった、という最悪のケースもあります。
  • 補償内容が実態に合わなくなる:自宅用の保険には「家財保険」がセットになっていることが多いですが、賃貸に出す場合は建物オーナーとしての補償(建物部分のみ)に切り替える必要があります。

要するに、自宅用の火災保険に入ったまま賃貸に出すのはNGです。賃貸に出す前に、必ず保険の見直しが必要になります。

自宅用(住宅火災保険)と賃貸用(賃貸住宅オーナー向け保険)の違い

では、自宅用と賃貸用の火災保険は具体的に何が違うのでしょうか。主な違いをまとめました。

補償の対象が変わる

自宅用の火災保険は、「建物」と「家財(家具・家電など)」の両方を補償対象にできます。一方、賃貸に出す場合、オーナーが補償すべきなのは「建物」部分だけです。入居者の家財は入居者自身が「借家人賠償保険」や「家財保険」に入って自分で守るものです。

賃貸用の火災保険(オーナー向け)は、建物への損害補償に特化しており、入居者の家財を補償する必要がありません。そのぶん、保険料が抑えられるケースもあります。

保険料の計算が変わる

賃貸物件(一般物件扱い)は、自宅と比べてリスク評価が異なるため、保険料の計算方法が変わります。一般的に賃貸物件は、入居者の管理状況によって損傷リスクが変わる・第三者が使うという理由から、保険料が割高になることが多いです。ただし、物件の構造(木造・鉄骨・RC)や築年数によっても金額は大きく変わります。

特約(オプション)の内容が変わる

賃貸オーナー向けの火災保険には、自宅用にはない特約が用意されています。代表的なものを紹介します。

  • 家賃収入特約(家賃補償特約):火災などで建物が損害を受けて入居者が退去した場合、修繕期間中の家賃収入の損失を補償してくれる特約です。実家を賃貸に出して家賃収入を得ている場合は、ぜひ検討したい特約です。
  • 施設賠償責任特約:建物の老朽化や欠陥が原因で入居者や第三者にケガをさせたり、物を壊したりした場合の賠償責任を補償します。例えば「廊下の天井が落下して入居者がケガをした」というケースに対応できます。
  • 孤独死・特殊清掃費用特約:入居者が孤独死した場合の特殊清掃費用や、事故物件化によって生じる賃料損失などを補償する特約です。近年、単身高齢者の入居が増える中でニーズが高まっています。

こうした特約は自宅用の保険にはついていないか、または申し込めないものが多いです。賃貸に出すからこそ必要になるリスクをカバーするために、賃貸用の保険に切り替えることが重要です。

火災保険の切り替えはいつ・どのタイミングでやればいい?

保険の切り替えタイミングについても、迷う方が多いポイントです。結論から言うと、入居者が決まったら(または入居日が確定したら)、そのタイミングで切り替え手続きを始めるのがベストです。

具体的な流れはこうです。

  1. 不動産管理会社に賃貸を依頼する段階で、保険の見直しが必要であることを認識しておく
  2. 入居者が決まり、入居日が確定したら、現在加入している保険会社に「賃貸に出す旨」を連絡する
  3. 保険会社から「用途変更の手続き」または「解約+新規加入」を案内してもらう
  4. 入居開始日に合わせて、賃貸オーナー用の保険を開始させる

注意したいのは、「空き家のまま放置している期間」も保険の見直しが必要になる場合があるという点です。長期間空き家になっていると、保険会社によっては「居住実態がない」として保険が適用されないケースもあります。空き家の期間が長い場合は、空き家向けの保険(空き家保険)への切り替えも選択肢に入れておきましょう。

空き家の管理や保険に関する相談先については、こちらもあわせてどうぞ。
👉 【空き家の相談先はどこ?】おすすめの相談先から要注意の業者まで徹底解説

入居者には「借家人賠償保険」への加入を必須にしよう

保険の話をするときに、オーナー側だけでなく入居者側の保険についても触れておく必要があります。

一般的な賃貸契約では、入居者に対して以下の保険への加入を必須条件とするのが標準的です。

  • 家財保険:入居者自身の家具・家電などの家財に対する補償。火災・水濡れ・盗難などに対応。
  • 借家人賠償責任保険:入居者の過失で建物に損害を与えた場合(火災・水漏れなど)に、オーナーへの賠償責任を補償する保険。
  • 個人賠償責任保険:入居者が日常生活の中で第三者に損害を与えた場合の賠償責任を補償。

これらは入居者が自分で契約するものですが、賃貸借契約書に「火災保険への加入を入居の条件とする」と明記しておくことで、オーナー側のリスクをある程度減らすことができます。不動産管理会社を通じて契約する場合は、管理会社が入居者に保険加入を促してくれるのが一般的です。

管理会社の役割については、こちらで詳しく解説しています。
👉 【費用相場まとめ】実家を貸すとき管理会社に払う手数料はいくら?安くする方法も解説

火災保険の選び方:賃貸オーナーが見るべきポイント

では、実際に賃貸オーナーとして火災保険を選ぶとき、何を比較すればいいのでしょうか。わたしが重要だと思うポイントを整理しました。

建物の補償額(再調達価額か時価額か)

火災保険の補償額の設定には、「再調達価額」と「時価額」の2種類があります。

  • 再調達価額:同じ建物を今の市場価格で建て直すのに必要な金額。築年数に関係なく、現在の建築費で補償される。
  • 時価額:再調達価額から経年劣化分を差し引いた金額。築年数が古いほど補償額が少なくなる。

実家を賃貸に出す場合、築年数が古い物件が多いと思います。時価額で設定すると、いざ火災が起きたときに「補償金額が少なすぎて建て替えできない」という事態になりかねません。わたしは「片付け費用がでればいいかな?保険料が安い方がいいし」と考えて、最安の保険料になるように調整しています。

家賃収入特約(家賃補償)をつけるかどうか

前述のとおり、家賃収入特約は「火災などで修繕が必要になったときに家賃収入が途絶えるリスク」をカバーしてくれます。わたしは家賃が無くても生活できるような生活設計をしているのでこの特約には入っていません。

施設賠償責任特約もセットで確認

建物の不具合が原因で入居者や第三者に損害を与えた場合、オーナーは損害賠償責任を負うことがあります。特に築年数の古い物件では、雨漏りや設備の老朽化によるトラブルリスクが高くなります。施設賠償責任特約はこうしたケースをカバーしてくれるため、古い実家を賃貸に出すなら必ずセットで検討したい特約です。

複数社で見積もりを比較する

火災保険は保険会社によって保険料や補償内容が大きく異なります。1社だけで決めずに、複数社の見積もりを取って比較することを強くおすすめします。一括見積もりサービスを使えば、手間なく複数社の見積もりを取ることができます。

代表的な一括見積もりサービスとしては、保険の窓口インズウェブ価格.com 保険などがあります。無料で使えるので、まずは比較してみることをおすすめします。

「空き家のまま放置」は保険上もリスク大!空き家保険という選択肢

賃貸に出す前に、しばらく空き家のままにしておくケースもあると思います。この「空き家期間中」の保険も、しっかり考えておく必要があります。

通常の火災保険は「居住中の建物」を前提としているため、長期間誰も住んでいない空き家は保険の対象外になったり、補償が制限されたりすることがあります。特に「継続して30日以上空き家になる場合は保険会社に連絡が必要」という約款になっている保険も多いです。

空き家期間がある場合の選択肢は主に2つです。

  • 現在の保険会社に「空き家になる旨」を告知する:保険会社によっては条件変更や特約追加で対応してくれる場合があります。まずは現在の保険会社に相談してみましょう。
  • 空き家専用の保険(空き家保険)に切り替える:空き家専用の火災保険商品も存在します。通常の火災保険より保険料が高くなることがありますが、空き家特有のリスク(放火・不法侵入・自然災害など)にしっかり対応してくれます。

空き家の管理コストや手続きについては、こちらの記事でまとめています。
👉 実家を貸す前に必ず確認!貸してはいけないケースとは?解決策も考えてみる

よくある質問:実家の火災保険についてのQ&A

Q. 今の保険を解約して新しく入り直す必要がありますか?

A. 必ずしも「解約+新規加入」が必要なわけではありません。現在加入している保険会社に「賃貸に出す旨」を連絡すると、用途変更の手続き(建物の用途を自宅から賃貸用に変更する)で対応できる場合があります。ただし、保険会社によっては賃貸用の商品ラインナップがなく、解約が必要なケースも。まずは保険会社に相談してみましょう。

Q. 保険の切り替えで解約返戻金はもらえますか?

A. 火災保険を途中で解約する場合、残存期間分の保険料が返戻金として戻ってくることが多いです(短期解約の場合は返戻金が少なくなる場合があります)。新しい保険に切り替える前に、現在の保険の解約返戻金がいくらになるかを確認しておくと、切り替えのコストを把握できます。

Q. 賃貸に出す場合、地震保険も必要ですか?

A. 地震保険は火災保険のオプションとして付帯するものです。賃貸物件でも地震による建物被害はオーナーの損失になるため、地震リスクが高い地域(特に太平洋沿岸部や活断層の近く)では加入を検討したほうがよいでしょう。保険料は地域と建物の構造によって異なります。

Q. 管理会社が保険を紹介してきたら加入すべき?

A. 管理会社が提携している保険会社の商品を紹介してくれることがありますが、必ずしもそれがベストな選択肢とは限りません。紹介された保険の内容と価格を確認しつつ、他社とも比較してから決めるのがおすすめです。管理会社に断りを入れるのは気が引けるかもしれませんが、保険は長期で払うものなので、納得してから契約することが大切です。

まとめ:実家を貸す前の火災保険チェックリスト

最後に、実家を貸す前に確認したい火災保険のポイントをまとめます。

  • ☑ 現在加入している火災保険が「自宅用」か「賃貸用」かを確認する
  • ☑ 賃貸に出すタイミングで保険会社に用途変更または切り替えの相談をする
  • ☑ 補償額は「再調達価額」で設定されているか確認する
  • ☑ 家賃収入特約・施設賠償責任特約の要否を検討する
  • ☑ 入居者に借家人賠償責任保険への加入を条件とする
  • ☑ 空き家期間がある場合は空き家保険も検討する
  • ☑ 複数社で見積もりを比較してから加入先を決める

火災保険の切り替えは「よくわからないから後回し」になりがちですが、実は実家を賃貸に出すうえで最初に動いておくべき手続きのひとつです。万が一のときに「保険が使えなかった」という事態を防ぐために、入居日が決まったら早めに保険会社に連絡してみてください。

実家を賃貸に出すときの費用全体については、こちらでまとめています。
👉 空き家を賃貸に出すまでの全手順を大家が解説!費用・期間・注意点まとめ【チェックリスト付き】

税金のこともあわせて確認しておきたい方はこちら。
👉 【節税対策】実家を貸したら税金はいくらかかる?所得税・住民税・固定資産税をまとめて解説

実家を売るか貸すかで迷っている方はこちらもどうぞ。
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著者プロフィール
さゆ

戸建て専門の不動産賃貸経営者。
空き家になった祖父の家に困り、賃貸に挑戦する。

過去の自身のような「空き家で困っている人」の助けになるように情報発信中。

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